「親が亡くなったけれど、何から手をつければいいのか分からない」「相続手続きが複雑で、自分ひとりではできそうにない」
大切なご家族を亡くされ、悲しみに暮れる間もなく始まるのが相続手続きです。そんなとき、心強い味方となるのが「司法書士」ですが、多くの方が同時にこう考えます。
「専門家に頼みたいけど、一体いくらかかるんだろう?」「最終的に、想像もしていなかった高額な費用を請求されたらどうしよう…」
費用の全体像が分からないままでは、安心して専門家に相談することすらできませんよね。
そこで今回は、相続手続きを司法書士に依頼した場合の費用について、その内訳と相場を分かりやすく解説します。この記事を最後まで読めば、ご自身のケースでどれくらいの費用がかかるか概算でき、安心して司法書士に相談するための具体的な知識が身につきます。
司法書士の相続費用|「報酬」と「実費」の内訳を解説
司法書士に依頼する際の費用は、大きく分けて**①司法書士へ支払う「報酬」**と、**②税金や手数料などの「実費」**の2つで構成されています。
見積もりを見る際は、まずこの2つを分けて考えることが非常に重要です。
【図解:司法書士の費用全体像】
① 司法書士への「報酬」 + ② 国や役所に納める「実費」
①司法書士への「報酬」は、事務所ごとに料金体系が異なります。ここが専門家としての技術料や手数料です。
②「実費」は、登録免許税や戸籍謄本の発行手数料など、どこに頼んでも一律で発生する費用です。
以下の表で、主な業務内容とその「報酬」相場の目安を解説します。
※一般的なケースの目安であり、事案の難易度、財産額、相続人の数などによって報酬は変動します。
依頼する業務内容 | 報酬相場(目安) |
---|---|
相続人調査(戸籍の収集) | 2万円~5万円程度 |
亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本などを収集し、法的に誰が相続人になるのかを確定させます。なお、相続登記で必要な戸籍謄本などに有効期限があるのかはこちらの記事もご参照ください。 | |
遺産分割協議書の作成 | 3万円~10万円程度 |
相続人全員の合意内容を法的に有効な書面として作成します。 | |
不動産の名義変更(相続登記) | 6万円~15万円程度 |
相続した土地や建物の名義を、被相続人から相続人へ変更する手続きです。2024年4月1日から義務化されており、正当な理由なく怠ると過料の対象となる可能性があります。いつまでに手続きが必要かなど、相続登記の義務化について詳しくはこちらの記事もご参照ください。 | |
預貯金の解約・払い戻し | 3万円~5万円程度 (金融機関1行につき) |
金融機関での煩雑な相続手続きを代行します。 | |
相続放棄の手続き | 3万円~5万円程度 |
家庭裁判所に提出する相続放棄申述書などの書類作成をサポートします。 | |
遺産整理業務(全部まとめて) | 25万円~ (遺産総額に応じて変動) |
上記の各種手続きをまとめて代行します。相続財産の種類が多い、または手続きに時間をかけられない方におすすめです。 | |
相続財産調査 | 5万円~ (調査対象により変動) |
不動産や預貯金、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も調査します。 | |
遺言書の検認申立て | 3万円~6万円程度 |
自筆証書遺言などが見つかった場合に、家庭裁判所へ提出する申立書類を作成します。 |
【具体例】相続登記の費用シミュレーション
例えば、固定資産税評価額が2,000万円の土地を相続し、司法書士に相続登記を依頼した場合の費用は以下のようになります。
- 登録免許税(実費): 2,000万円 × 0.4% = 8万円
- 必要書類の取得費用(実費): 約5,000円~1万5,000円
- 司法書士への報酬: 約10万円
- 合計: 約18万5,000円~19万5,000円
これはあくまで一例です。不動産の数や相続関係の複雑さによって報酬は変わるため、必ず事前に見積もりを取りましょう。
後悔しないために。司法書士費用の賢い考え方と4つのポイント
司法書士の費用は決して安くはありません。しかし、安さだけで選んでしまい、手続きが滞ったり、後から追加費用を請求されたりしては本末転倒です。ここでは、費用に納得し、安心して任せられる司法書士を見極めるための、より具体的で実践的な4つのポイントをご紹介します。
- 【見積もりを深く読む】
「実費」、特に登録免許税を理解する見積書を見たときに「事務所によって変動する報酬」と「どこに頼んでも一律の実費」を分けて考えることにより、純粋な「報酬額」を正確に比較でき、事務所ごとの価値を正しく見極められます。「実費」のうち、特に大きな金額を占めるのが、不動産の名義変更(相続登記)の際に国へ納める登録免許税です。
お手元に固定資産税の「納税通知書」があれば、その評価額を確認できます。事前にご自身の不動産の評価額を把握し、「登録免許税がいくら位になるか」を知っておくだけで、提示された見積もりの妥当性が判断しやすくなります。
- 【準備が肝心】
無料相談を「見積もりの場」ではなく「見極めの場」にする無料相談を有効活用するには、事前に「財産の種類やおおよその額」「相続人の関係性をまとめた簡単なメモ」「聞きたいことリスト」を準備していきましょう。準備をすることで、より正確な費用の見通しや、司法書士の対応力を深く知ることができます。
以下の質問を投げかけてみるのも有効です。
「見積もり以外に、追加費用が発生する可能性はありますか? それはどのような場合ですか?」
「手続き完了までの標準的な期間はどれくらいですか?」これらの質問に対する回答の明確さや丁寧さで、その司法書士が信頼に足るかを見極めることができます。
- 【費用対効果で選ぶ】
「遺産整理業務(おまかせパック)」を正しく見極める戸籍収集から預貯金解約、不動産の名義変更までを一括で依頼できる「遺産整理業務」は、非常に便利なサービスです。特に「相続人が多い」「財産の種類が多い、または遠方にある」「仕事で平日に時間が取れない」といった方には、個別に依頼するより結果的に割安で、手間も大幅に省けるためおすすめです。
一方で、相続財産が「自宅と預金口座1つのみ」といったシンプルなケースでは、かえって割高になる可能性もあります。ご自身の状況を伝え、本当に必要なサービスだけが含まれているか、パック料金の内訳をしっかり確認することが大切です。
- 【納得の依頼】
最終的には、料金よりも「信頼感」と「相性」を優先するいくつかの事務所の料金を比較する方法もありますが、それ以上に大切なのが、実際に司法書士と話してみたときの相性や信頼感です。
相続は、ご家族のデリケートな情報や大切な想いをお話しいただく、非常にパーソナルな手続きです。料金の安さだけで選んだ結果、コミュニケーションがうまくいかず、不安な日々を過ごすことになっては意味がありません。
心から「この人になら安心して任せられる」と思える司法書士に依頼することが、後悔のない相続を実現する一番の近道であり、最終的な満足度を最も高める賢い選択です。
まとめ
相続手続きは、一生のうちに何度も経験することではないため、不安や戸惑いを感じるのは当然です。司法書士は、そんなあなたの負担を軽減し、複雑な手続きを正確かつスムーズに進めてくれる頼れるパートナーです。
この記事で、司法書士に依頼する費用の全体像を掴んでいただけたかと思います。しかし、一番大切なのは「ご自身のケースでは、具体的にいくらかかるのか」を正確に知ることです。
ご自身のケースでの正確な費用を知りたい方へ
「この記事で大体の相場は分かったけど、私のケースだと正確にはいくらになるんだろう?」
そう思われた方は、ぜひ当事務所の無料お見積りをご利用ください。ご自身の状況に合わせた正確な費用を算出し、分かりやすくご提案いたします。
もちろん、お見積りをしたからといって、無理な勧誘は一切ございません。まずはお話をお伺いするだけでも結構ですので、安心してご相談いただければと思います。